Japanische Klassiker mit Furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme
私達は百人の組を引き受けましたが、この中から見す見す七八十人弾ねられるのかと思ったら、無慈悲のような心持がしましたよ」
と芳夫さんは代数の問題を解く時のように閊えない。
「皆一生懸命でしょうね」
と僕も入学試験のことだと身につまされて話し込む。
「目色が変っています。見ていても息が詰まるようです。しかし監督員の中には、不断自分が試験で苦むものですから、面白がっているものもありますよ。『今度は数学だから七転八倒だぜ』なんて、泥鰌でも殺すようなことを言っています」
「可哀そうですわね。源太郎さん、あなた毎晩数学をお習いなさいよ」
と絹子さんが注意してくれた。
「精々やりましょう」
「しかし余り同情も出来ませんよ。苦し紛れですから、うっかりしていると他の答案を見ます。一人答案の掏り替えをやった奴がありました」
「そんなことをされちゃ溜りませんな」
「直ぐ前の席の男が出して行った答案を取って自分の名を書き込んだのです。そこへ私が廻って行ったものですから慌てて出てしまいましたが、自分の答案に名前を書いていなかったところを見ると、初めからその計画でいたんですな」
「ひどい奴があったものですね」