Japanische Klassiker mit Furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme
気をつけて見ていると種々のことが目に映って面白い。僕は切符の持ち方にも乗客の社会的地位に従って夫れ夫れ異った方式のあることを発見した。例えば乗換券を巻いて煙草のように耳に挾んでいるものがある。それでも落す虞があると思ってか、耳の穴へ※(「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28)入しているものもある。一人、割引券に唾をつけて郵便切手のように額に貼っている男があった。こんな奇抜な持ち方をする連中は大抵労働者階級である。何処までも身体を使う。然るに所謂知識階級に属する洋服は皆チョッキの上隠しから切符を覗かして、新聞の三面記事に専ら頭を使っている。いくら込み合っても、上役でも来ない限り、貧乏揺ぎもしない。婆さんに席を譲るのは却って無学な労働者だ。何も彼も将来想像力で纒める材料と思って、僕は始終観察している。
斯ういう心掛けだから、郷里から久作さんが東京見物に出て来た時、僕は二つ返辞で案内役を承わった。いつもなら御免蒙る。柄の余り好くないのと一緒に歩いていて学校の友達に会うと気が引ける。
「君、昨日の紳士は君の叔父さんかい?」
なぞと翌日冷かされる。