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Japanische Klassiker mit Furigana

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おやどりことり

親鳥子鳥

佐々木 邦

Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme

Aozora Bunko

相互援助法を用いて種々画策するばかりでなく、好いことも始終一緒にやる。文一君が僕の家へ勉強に来ることもあれば、僕の方から予習に押しかけて行くこともある。文一君は数学が得意で、僕は英語が少し出来る。二人がかりでやれば何処の試験問題でも解ける。

「何うだい?」

と僕は上り込む。文一君の勉強部屋は玄関の直ぐ隣りだ。

「駄目だよ」

と文一君が応じる。一昨日の晩もそれで、僕達は数学をやっていた。

文一君のお父さんはビールを醸造して世間を酔っ払わせるのを専門にしているにも拘らず、言論をもって世道人心を導く僕のお父さんよりも遙かに謹厳な人である。家庭教育が頗るやかましい。文一君はピリピリしている。すべて実践躬行を主義とする。夕刻会社から帰って来ると着物を着替えて先ず隠居へ出頭し、

「勝之進唯今戻りました」

と言って、お祖母さんの前に平伏するそうだ。まるでお芝居のようですと女中が言っている。随って文一君もナカナカ骨が折れる。学校から帰ると、

「文一唯今戻りました」

とお母さんの前にかしこまらなければならない。僕のように荷物を放り出して、

「唯今!」

の一言で済ませ、

「お母さん何かない?」