Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらんのすいみゃく
親鸞の水脈
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞の水脈 (しんらんのすいみゃく) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.786 Zeichen · 8 Bildschirme
今日になってもうそれに手をつけるとなると、たいへんだと思うばかりで、いつかはとは思っているが、なかなか手が出ないのです。それは人生の観方、宗教への考えなどが年とともに深まれば深まるほど、親鸞像というものが果てしなく広く深いことがわかってくるからです。
しかしながら「新・平家物語」を書き、今また「私本太平記」を書きながら思うことは、要するに親鸞をつかんで書こうと、平家物語の人間像を書こうと、南北朝時代の群像を書こうと、結局歴史小説でも現代小説でも、自分の表現以外ではない。つまり題材の如何にかかわらず自己を書いていることに帰着するのです。そうしてまた読者側からいえば小説とは、小説中の筋や人物を読むものと思っているが、実は読者は小説をかりて、自分自身を読んでいるものなんです。「――小説は自分を読むもの」そう思い当りませんでしょうか。ですから小説というものは作家も読者もお互いに自己の掘り下げみたいなもんです。共同の人間探究でなくてはなりません。そうすると先にもいいましたが、親鸞をかりて相互がこの現代の中で静かに自己探究をしつつしかも悠久な人間の生き道をさがすなどという仕事はいよいよ非常にむずかしい。