Japanische Klassiker mit Furigana
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けいりゃくにじゅうせん
計略二重戦
甲賀 三郎
Lesen Sie 計略二重戦 (けいりゃくにじゅうせん) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.953 Zeichen · 20 Bildschirme
仁科少佐は決心の色を現わして、きっぱり云いました。谷山大佐は満足そうにうなずきながら、
「ぜひ成功してくれ給え。いや、君なら必ず成功すると思っているのだ。しかし、気をつけ給えよ。シムソンはどうしてなかなかの奴なんだから。殊に彼の邸はすっかり電気仕掛の盗難予防器が張り廻してあって、ちょっとでも手が触れると、家中に鳴り響くと云う事だから、余程用心しなくてはいかんぞ」
「御注意有難う存じます。では、閣下、仁科は重要書類を奪回して参ります」
少佐は参謀総長以下並居る上官に一渡り敬礼して、元気よく部屋を出ました。
猫と鼠
夜は深々と更けて、麹町六番町のウイラード・シムソンの邸のあたりは、まるで山奥のように静まり返っています。時折ヒュウヒュウという梢を吹く木枯しの音が、反ってあたりの静かさを増しています。この夜更に、この寒さに、こんな所を通る人はあるまいと思うのに、折しもコツコツと歩道を踏んで来る人影がありました。
彼はシムソンの家の前に来ると、立止って、暫くあたりの様子を覗っていました。門の前の電灯に照し出された男は、外套の襟を立てて、帽子を眉深にかぶっていますが、疑いもなく仁科猛雄でした。