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Japanische Klassiker mit Furigana

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きろくきょうじだい

記録狂時代

寺田 寅彦

Lesen Sie 記録狂時代 (きろくきょうじだい) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.453 Zeichen · 9 Bildschirme

Aozora Bunko

食いしんぼうのレコード保有者でも少し風変わりなのは、パリのムシウ・シエールである。この人は一年間に宴会に出席すること四百回、しかも毎回欠かさずに卓上演説をしてのけたそうである。わが国でも実業家政治家の中には人と会食するのが毎日のおもなる仕事だという人があると聞いてはいるが、三百六十五日間に四百回の宴会はどうかと思われる。それにしても、この四百回の会食を遂げたという事実の真実性を証明するための審査ははなはだめんどうであったろうと想像される。

シガー一本をできるだけゆっくり時間をかけて吸うという競技で優勝の栄冠を獲たのはドイツ人何某であった。すなわち、五時間と十七分というレコードを得たのである。遺憾ながらそのシガーの大きさや重量や当日の気温湿度気圧等の記載がない。この競技は速度最小という消極的なレコードをねらうところに一種特別の興味がある。できるだけのろく燃えるという事と、燃えない、すなわち消火するという事とは本質的にちがうのである。これに対してたとえば百メートルの距離をできるだけのろく「走る」競技が成立するかどうかという問題が起こし得られる。高速度活動写真でとった、いわゆるスローモーションの競走映画で見ると同じような型式の五体の運動を、任意の緩速度で実行できるかというと、これは地球の重力gの価を減らさなけれ