Japanische Klassiker mit Furigana
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ちゅうもんちょう
註文帳
泉 鏡花
Lesen Sie 註文帳 (ちゅうもんちょう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.770 Zeichen · 67 Bildschirme
」
作平は空を仰いで、
「すっかり曇って暗くなったが、この陽気はずれの寒さでは、」
五助慌しく。
「白いものか、禁物々々。」
点灯頃
十三
「はい、はい、はい、誰方だい。」
作平のよぼけた後姿を見失った五助は、目の行くさきも薄暗いが、さて見廻すと居廻はなおのことで、もう点灯頃。
物の色は分るが、思いなしか陰気でならず、いつもより疾く洋燈をと思う処へ、大音寺前の方から盛に曳込んで来る乗込客、今度は五六台、引続いて三台、四台、しばらくは引きも切らず、がッがッ、轟々という音に、地鳴を交えて、慣れたことながら腹にこたえ、大儀そうに、と眺めていたが、やがて途絶えると裏口に気勢があった。
五助はわざと大声で、
「お勝さんかね、……何だ、隣か、」と投げるように呟いたが、
「あれ、お上んなせえ、構わずずいと入るべし、誰方だね。」
耳を澄して、
「畜生、この間もあの術で驚かしゃあがった、尨犬め、しかも真夜中だろうじゃあねえか、トントントンさ、誰方だと聞きゃあ黙然で、蒲団を引被るとトントンだ、誰方だね、黙りか、またトンか、びッくりか、トンと来るか。とうとう戸外から廻ってお隣で御迷惑。