Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちゅうもんちょう

註文帳

泉 鏡花

Lesen Sie 註文帳 (ちゅうもんちょう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.770 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

「傍へ寄って見ると、案の定、跣足で居る、実に乱次ない風で、長襦袢に扱帯をしめたッきり、鼠色の上着を合せて、兵庫という髪が判然見えた、それもばさばさして今寝床から出たという姿だから、私は知らないけれども疑う処はない、勤人だ。

脊の高いね、恐しいほど品の好い遊女だったッけ。」

二十

「その婦人に頼まれたんです。姉さん、」と謂いかけて、美しい顔をまともに屹と女に向けた。

お若は晴々しそうに、ちょいと背けて、大呼吸をつきながら、黙って聞いているお杉と目を合せたのである。

「誰?」

「へい。」と、ただまじまじする。

「姉さんに、その遊女が今夜中にお届け申す約束のものがあるが、寮にいらっしゃるお若さん、同一御主人だけれども、旦那とかには謂われぬこと、朋友にも知れてはならず、新造などにさとられては大変なので、昼から間を見て、と思っても、つい人目があって出られなかった。

ちょうど今夜は、内証に大一座の客があって、雪はふる、部屋々々でも寐込んだのを機にぬけて出て、ここまでは来ましたが、土を踏むのにさえ遠退いた、足がすくんで震える上に、今時こういう処へ出られる身分の者ではないから、どんな目に逢おうも知れない。