Japanische Klassiker mit Furigana
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ちゅうもんちょう
註文帳
泉 鏡花
Lesen Sie 註文帳 (ちゅうもんちょう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.770 Zeichen · 67 Bildschirme
、かえって慰めるように謂った。
お杉は心も心ならず、憂慮しげに少年の状を瞻りながら、さすがにこの際喙を容れかねていたのであった。
此方はますます当惑の色面に顕れ、
「可いじゃアありません、可かあない、可かあない、」
と自ら我身を詈るごとく、
「落すなんて、そんな間のあるわけはないんだからねえ、頼んだ人は生命にもかかわる。」と、早口にいってまた四辺をした。
「一体どんなものでございます。」とお杉は少年に引添うて、渠を庇うようにして言う。
「私も更めちゃ見なかった、いいえ、実は見ようとも思わなかったような次第なんです。何でもこう紙につつんだ、細長いもので、受取った時少し重みがあったんだがね。」
お若はちょいと頷いて、
「杉、」
「ええ、」
「瀬川さんの……ね、あれさ、」と呑込ませる。
「ええ、成程、貴下、それじゃあ、何でございますよ、抱えの瀬川さんという方にお貸しなすったんですよ、あの、お頼まれなすった遊女は、脊の高い、品の可い、そして淋しい顔色の、ああ煩っているもんだからてっきり、そう!」
と勢よくそれにした。
「今夜までに返すからと言ったにゃあ言いましたけれども、何、少姐さんは返してもらうおつもりじゃございませんのに、やっと今こっちじゃあ思い出しました位ですもの。