Japanische Klassiker mit Furigana
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ちゅうもんちょう
註文帳
泉 鏡花
Lesen Sie 註文帳 (ちゅうもんちょう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.770 Zeichen · 67 Bildschirme
」
二十三
寝衣に着換えさしたのであろう、その上衣と短胴服、などを一かかえに、少し衣紋の乱れた咽喉のあたりへ押つけて、胸に抱いて、時の間に窶の見える頤を深く、俯向いた姿で、奥の方六畳の襖を開けて、お若はしょんぼりして出て来た。
襖の内には炬燵の裾、屏風の端。
背片手で密とあとをしめて、三畳ばかり暗い処で姿が消えたが、静々と、十畳の広室に顕れると、二室越二重の襖、いずれも一枚開けたままで、玄関の傍なるそれも六畳、長火鉢にかんかんと、大形の台洋燈がついてるので、あかりは青畳の上を辷って、お若の冷たそうな、爪先が、そこにもちらちらと雪の散るよう、足袋は脱いでいた。
この灯がさしたので、お若は半身を暗がりに、少し伸上るようにして透して見ると、火鉢には真鍮の大薬鑵が懸って、も一ツ小鍋をかけたまま、お杉は行儀よく坐って、艶々しく結った円髷の、その斑布の櫛をまともに見せて、身動きもせずに仮睡をしている。
差覗いてすっと身を引き、しばらく物音もさせなかったが、やがてばったり、抱えてたものを畳に落して、陰々として忍泣の声がした。
しばらくすると、密とまたその着物を取り上げて、一ツずつ壁の際なる衣桁の亙。