Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちかいのまき

誓之巻

泉 鏡花

Lesen Sie 誓之巻 (ちかいのまき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.856 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

)とおっしゃるんですから、何とかしておあげなさいな。あなたにゃその工夫があるでしょう、上杉さん。」

名を揚げよというなり。家を起せというなり。富の市を憎みて殺さむと思うことなかれというなり。ともすれば自殺せむと思うことなかれというなり。詮ずれば秀を忘れよというなり。その事をば、母上の御名にかけて誓えよと、常にミリヤアドのいえるなりき。

予は黙してうつむきぬ。

「何もね、いまといっていま、あなたに迫るんじゃありません。どうぞ悪く思わないで下さいまし、しかしお考えなすッてね。」

また顔見たり。

折から咳入る声聞ゆ。高津は目くばせして奥にゆきぬ。

ややありて、

「じゃ、お逢い遊ばせ、上杉さんですよ、可うござんすか。」

という声しき。

「新さん。」

と聞えたれば馳せゆきぬ。と見れば次の室は片付きて、畳に塵なく、床花瓶に菊一輪、いつさしすてしか凋れたり。

東枕

襖左右に開きたれば、厚衾重ねたる見ゆ。東に向けて臥床設けし、枕頭なる皿のなかに、蜜柑と熟したる葡萄と装りたり。枕をば高くしつ。病める人は頭埋めて、小やかにぞ臥したりける。

思いしよりなお瘠せたり。