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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちかいのまき

誓之巻

泉 鏡花

Lesen Sie 誓之巻 (ちかいのまき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.856 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

「切のうござんすか。」

ミリヤアドは夢見る顔なり。

「耳が少し遠くなっていらっしゃいますから、そのおつもりで、新さん。」

「切のうござんすか。」

頷く状なりき。

「まだ可いんですよ。晩方になって寒くなると、あわれにおなんなさいます。それに熱が高くなりますからまるで、現。」

と低声にいう。かかるものをいかなる言もて慰むべき。果は怨めしくもなるに、心激して、

「どうするんです、ミリヤアド、もうそんなでいてどうするの。」

声高にいいしを傍より目もて叱られて、急に、

「何ともありませんよ、何、もう、いまによくなります。」

いいなおしたる接穂なさ。面を背けて、

「治らないことはありません。治るよ、高津さん。」

高津は勢よく、

「はい、それはあなた、神様がいらっしゃいます。」

予はまた言わざりき。

誓

月凍てたり。大路の人の跫音冴えし、それも時過ぎぬ。坂下に犬の吠ゆるもやみたり。一しきり、一しきり、檐に、棟に、背戸の方に、颯と来て、さらさらさらさらと鳴る風の音。この凩! 病む人の身をいかんする。ミリヤアドは衣深く引被ぐ。かくは予と高津とに寝よとてこそするなりけれ。