Japanische Klassiker mit Furigana
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むほんろん(そうこう)
謀叛論(草稿)
徳冨 蘆花
Lesen Sie 謀叛論(草稿) (むほんろん(そうこう)) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.699 Zeichen · 19 Bildschirme
幸徳らの死に関しては、我々五千万人斉しくその責を負わねばならぬ。しかしもっとも責むべきは当局者である。総じて幸徳らに対する政府の遣口は、最初から蛇の蛙を狙う様で、随分陰険冷酷を極めたものである。網を張っておいて、鳥を追立て、引かかるが最期網をしめる、陥穽を掘っておいて、その方にじりじり追いやって、落ちるとすぐ蓋をする。彼らは国家のためにするつもりかも知れぬが、天の眼からは正しく謀殺――謀殺だ。それに公開の裁判でもすることか、風紀を名として何もかも暗中にやってのけて――諸君、議会における花井弁護士の言を記臆せよ、大逆事件の審判中当路の大臣は一人もただの一度も傍聴に来なかったのである――死の判決で国民を嚇して、十二名の恩赦でちょっと機嫌を取って、余の十二名はほとんど不意打の死刑――否、死刑ではない、暗殺――暗殺である。せめて死骸になったら一滴の涙位は持っても宜いではないか。それにあの執念な追窮しざまはどうだ。死骸の引取り、会葬者の数にも干渉する。秘密、秘密、何もかも一切秘密に押込めて、死体の解剖すら大学ではさせぬ。できることならさぞ十二人の霊魂も殺してしまいたかったであろう。