Japanische Klassiker mit Furigana
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ようきょくとがだい
謡曲と画題
上村 松園
Lesen Sie 謡曲と画題 (ようきょくとがだい) von 上村 松園 (うえむらしょうえん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.036 Zeichen · 7 Bildschirme
かりそめの在京と存じ候へども、当年三歳になりて候。あまりに故郷の事心もとなく候程に、召使ひ候夕霧と申す女を下さばやと思ひ候。いかに夕霧、あまりに故郷心もとなく候程に、おことを下し候べし。この年の暮には必ず下るべき由心得て申し候へ……
謡曲「砧」は、こういううたい出しにて、主人の命をうけた夕霧が筑前国の芦屋の館へ下って、芦屋某の妻に会って、その主人の伝言をつたえるのであります。
三年の間、ひとり佗しく主人の帰館を待っていた妻は、帰って来たのは主人ではなくて召使いの夕霧であったのでがっかりするが、しかしせめて愛しの背の君の消息をきけたことを慰めとして、よもやまの京の都の話や、主人の苦労のことを話しあっていると、どこからか、タンタンタンという珍しい音が、夜のしじまを破って聞えて来たので、館の妻は不審がって、
「あら不思議や何やらんあなたにあって物音のきこえ候。あれは何にて候ぞ」
「あれは里人の砧擣つ音にて候」
「げにや我が身の憂きままに、古事の思ひ出でられて候ぞや。唐に蘇武といひし人、胡国とやらんに捨て置かれしに、故郷に留め置きし妻や子、夜寒の寝覚を思ひやり、高楼に上つて砧を擣つ。