Japanische Klassiker mit Furigana
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けいさつしょちょう
警察署長
田中 貢太郎
Lesen Sie 警察署長 (けいさつしょちょう) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.783 Zeichen · 16 Bildschirme
彼は大声を出して叫んだ。ベルセネフは叫ばすまいとして隻手を口にやろうとした。それがために女を掴んだ手が緩んだ。エルマは揮り放して林に沿うて逃げた。
獣のような双手がまたエルマにかかった。それはクラネクの手であった。エルマはまた叫んだ。
「お嬢さんお嬢さん、そんなに騒がなくってもいいのですよ」
エルマは首を捻向けるようにして対手の顔を見た。それは見覚えのある警察署長の顔であった。
「何をなされるのです、失礼じゃありませんか」
「そんなに云うものじゃありませんよ、私は貴女にお話したいことがありましたから、お呼びしましたけれど、貴女が逃げるじゃありませんか」
「何の御用ですか、云ってください、御用なら、口で云って判るでしょう、放してください」
エルマは怒りを押えて冷に云った。
「放したら逃げるでしょう、まあ、そんなにしなくってもいいでしょう」
酒臭い男の息がかかった。
「何の御用ですか、云ってください」
ベルセネフが来て立っていた。
「お嬢さん、そんなことをおっしゃらずに、署長さんは大変貴女のことを思っていらっしゃるのです、署長さんのお詞に従ったがいいでしょう、シベリヤが革命騒ぎで大変なことになってても、この町がすこしも騒がないのは、この署長さんのおかげじゃありませんか、この署長さんがいなかったら、貴女のお父さんも、お母さん