Japanische Klassiker mit Furigana
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とうふかい
豆腐買い
岡本 かの子
Lesen Sie 豆腐買い (とうふかい) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.329 Zeichen · 29 Bildschirme
加奈子ははっと思った。それから行くたびに何かかにか愚痴が出るようになり、程なく遂々お京さんはアンリーから逃げ出した。行先を知っているのは母親と加奈子だけだった。父親は母親に押えられて強て居所も訊かなかった。
アンリーは狂気のようになって探し廻った。お京さんの実家へ訴えた。どうにもしようがなかった。国籍のことからまだ届けはしてなかったので公には出来なかった。
露地の中の隠れ住いを二ヶ月ばかりしてお京さんは身体の為めに海岸の療養院へ転地した。そこへ、お京さんが立つときと加奈子が洋行するときと殆んど一緒だったので両方忙しいなかを繰り合せて隅田川の流れに沿っている鰻屋の二階で二人は訣れを惜んだ。お京さんは言った。
――人間に魂ってものがあるのでしょうか。
加奈子はこれによく答え得なかった。それとみてお京さんは返事を受取るのをやめて言った。
――人間に魂があるとしても、あたしの魂には何んだかすっかり殻のようなものが出来てしまってるようね。だからどっちへ向けても人の魂と触れた感じはしなくなってしまったのね。ああ、人間で魂と魂と触れ合うという感じはどんなものでしょう。