Japanische Klassiker mit Furigana
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まけないおとこ
負けない男
佐々木 邦
Lesen Sie 負けない男 (まけないおとこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.799 Zeichen · 202 Bildschirme
鳧さんに課長室へ呼び込まれて因果を含められたのでない。いつもの通り庶務課へ入って行ったら、自分の机と椅子がなくなっていたのである。
「おや!」
と思ったが、もう晩い。頭を棍棒でガンとやられたような心持がした。
「堀尾君、君はもう工場の方へ廻ったのかい?」
と隣席の安川君が何も知らずに訊いた。しかし他の同僚も控えているので説明が出来ない。堀尾君は憤慨が込み上げて、額に玉の汗が泌んだ。
「やられたんだよ」
と安川君に丈け耳語して、ソコ/\に部屋を出た。人事課へと志して二三歩よろめいたが、昨日の高言を思い出して踏み止まった。会社の意志は辞令より明瞭に現れている。今更説明を求めるのも気の利かない話だ。騒げば恥の上塗りになる。引き返して、そのまゝ門へ出てしまった。停留場近くまで来て又立ち止まったが、又思い直した。何う考えても喧嘩にならない。それ丈けに忌々しい。
家へ帰っても仕方がない。昨日の今日だ。婆やにも面目ない。
「清水君のところへ行って相談しよう」
と堀尾君は思いついたが、次いで相談したところで何うもならないとも思った。しかし丁度そこへ電車が来て、決心させてくれた。