Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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まけないおとこ

負けない男

佐々木 邦

Lesen Sie 負けない男 (まけないおとこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.799 Zeichen · 202 Bildschirme

Aozora Bunko

「…………」

「野口さんなんかと違って、修業だからね。直ぐに郡長になれる」

「いや、事務官です」

「事務官結構。それから知事だろう?」

「いや、内務部長を長いことやらなければなりません」

「内務部長になれば大したものだよ。会社の重役なんか足許にも寄りつけない」

とお父さんは官尊民卑だ。地方の有志や素封家には斯ういうのが多いから、官吏も田舎へ行くと息がつける。

「悌四郎さんは村長さんよりも上なの?」

とお母さんが訊いた。

「上ってこともありませんが、収入が多いという意味でしょう」

「でも、月給が余計取れるようなら、位が上じゃありませんか?」

「位ってものは官吏だけで、会社員にはないんです」

「それじゃ格式?」

「さあ」

と正晴君も困る。

「悌四郎さんは高等商業ですよ。お前は大学を出て、下になるなんて、別に成績が悪くもないのに、変じゃないの?」

「下になるとは限りません」

「でも、村長だってじゃありませんか?」

「村長とも限りません」

「天竺屋はこの頃増長していて本当にひどいんですよ」

「これ/\、そんなことは何うでも宜い」

とお父さんが制した。

「正晴や」

「はあ」

「お前は悌四郎さんと違って、大学を一番で卒業したんだからね」