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Japanische Klassiker mit Furigana

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まけないおとこ

負けない男

佐々木 邦

Lesen Sie 負けない男 (まけないおとこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.799 Zeichen · 202 Bildschirme

Aozora Bunko

尚お悌四郎君は正晴君に全く頭の上らないことが一つある。現在の細君を貰う時、正晴君に一方ならぬ手数をかけている。

「あの頃は……」

と言われると、直ぐに、

「参った/\」

と兜を脱がなければならない関係になっている。

「滞りなく卒業したよ」

と正晴君は流石にニコ/\した。

「お芽出度う。一番だったってじゃないか」

「いや、県人中で一番だったのさ」

「全体では?」

と悌四郎君は相変らず席次を問題にする。中学時代に鎬を削った間柄だ。

「七番さ」

「それなら優秀だ。去年十番で出た奴が来ているが、素晴らしいものだ」

「卒業席次で人間の相場が定るんだから厭になる」

「仕方がないさ。他にメートルがないんだもの」

「然う言えば然うだけれど」

「何処へ定ったんだい?」

「いや、待っていても口がかゝって来ないから、思い切って、悉皆引き払って来たんだよ」

「冗談言っている」

「本当だよ。一遍人物試験で失策って、二度目を躊躇している中に時機を逸してしまった」

「ふうむ。何処だい?」

「○○紡績さ」

「一流会社じゃないか? 惜しいことをしたね」

「然うとも思わないよ」

「何故?」

「考えて見れば、僕は元来紡績の紡の字にも興味がないんだもの」