Japanische Klassiker mit Furigana
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まけないおとこ
負けない男
佐々木 邦
Lesen Sie 負けない男 (まけないおとこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.799 Zeichen · 202 Bildschirme
「まさか」
「本当だよ」
「岡村先生がそんな詳しいことを知っている筈はない」
「奥さんだよ」
「奥さんにだって結着を報告した丈けで、詳しいことは話しゃしない」
「見給え」
「何だい?」
「言わず語らずの中に、詳しいこと詳しいことって告白している」
「おや/\」
と正晴君は美事取っ占められた。
「ハッハヽヽヽ」
「君もナカ/\人が悪くなったね」
「揉まれるからさ。唯二年だけれど、それ丈け早く社会に出ているから、もう然う/\負けちゃいないよ」
「ソロ/\追いつくかい?」
「うむ。悪智恵が」
「やるね。実際」
「ハッハヽヽ」
「実は卒業とその方の報告ながら一遍上ろうと思っていてつい失敬しちゃった」
「僕こそ御無沙汰して済まない。この頃は無暗と忙しいものだからね」
「出張だってね?」
「うむ。今日帰って間もなく又出掛けるんだよ」
「東奔西走か?」
「文字通りさ。遣り切れない」
「奥さんは御丈夫だろうね?」
「有難う。実は寝ている」
「何うしたんだい?」
「生れたのさ」
「ふうむ。いつ?」
「先月」
「それはお芽出度う。些っとも知らなかった」
「態と知らせなかったんだもの」
「何故?」
「お互っこだって気があった」
「実に悪くなったよ、君は」