Japanische Klassiker mit Furigana
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まけないおとこ
負けない男
佐々木 邦
Lesen Sie 負けない男 (まけないおとこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.799 Zeichen · 202 Bildschirme
「ふうむ。あれが来るのかい?」
「うむ。事によると金太が送って来るかも知れない?」
「惜しいことをした。然うと知ったら家へ手紙をやって、醤油の二樽も托けさせるのだったに」
「相変らず抜け目がないね」
「君は次男坊だけれど、僕は四男坊だもの。倍方狡く立ち廻らないと追いつかない」
「冗談は兎に角、宜しく頼むよ」
と堀尾君は悌四郎君の好意に縋った。引っ越しの日には家主の清水君も差配をつれて出張に及んだ。
「君、主計総監は引っ越しの手伝いをしたのかい」
と諢ったら、
「君のところは特別だ。道子さんとの関係上、妻から許可が出た」
と清水君は矢張り上役の意向を帯びていた。
家から通い始めてから間もなくのこと、堀尾君は或朝停留場へ向う途中、鳧さんらしい後姿を認めた。追いついて見たら、果して然うだったから、
「お早うございます」
と挨拶をした。
「やあ、君はこの方面だったかね」
と鳧さんも案外のようだった。
「いや、つい二三日前に越して来たばかりです」
「何処だい?」
「砂土原町です」
「ふうむ。僕は払方町だよ」
「お近いんですか?」
「直ぐそこさ。社長の隣りだよ」
「はゝあ。社長さんもこの辺ですか?」