Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あかいろうそくとにんぎょ

赤いろうそくと人魚

小川 未明

Lesen Sie 赤いろうそくと人魚 (あかいろうそくとにんぎょ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 7.102 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

」と、まことしやかに申したのであります。

年より夫婦は、ついに香具師のいうことを信じてしまいました。それに大金になりますので、つい金に心を奪われて、娘を香具師に売ることに約束をきめてしまったのであります。

香具師は、たいそう喜んで帰りました。いずれそのうちに、娘を受け取りにくるといいました。

この話を娘が知ったときは、どんなに驚いたでありましょう。内気な、やさしい娘は、この家から離れて、幾百里も遠い、知らない、熱い南の国へゆくことをおそれました。そして、泣いて、年より夫婦に願ったのであります。

「わたしは、どんなにでも働きますから、どうぞ知らない南の国へ売られてゆくことは、許してくださいまし。」といいました。

しかし、もはや、鬼のような心持ちになってしまった年寄り夫婦は、なんといっても、娘のいうことを聞き入れませんでした。

娘は、へやのうちに閉じこもって、いっしんにろうそくの絵を描いていました。しかし、年寄り夫婦はそれを見ても、いじらしいとも、哀れとも、思わなかったのであります。

月の明るい晩のことであります。娘は、独り波の音を聞きながら、身の行く末を思うて悲しんでいました。