Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あかいステッキ

赤いステッキ

壺井 栄

Lesen Sie 赤いステッキ (あかいステッキ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.482 Zeichen · 23 Bildschirme

Aozora Bunko

克子は庭をさし、

「あれは梅の花じゃないか」

大人ぶっていう。昨日お母さんに抱かれ、梅の枝で目を突かれそうになりながら、その花の形を知った克子なのであった。

「梅の花が咲いとるのに健ちゃん、桜ばっかしいうんど」

もうとっくに健が自分にうしろを向けているとも知らず、克子は健の背中へ話しかけている。健はちょっと頭をねじらせ、

「そんなことぐらい知っとらい。健、本を読みよんのに、克ちゃん黙っとれ」

そして健は立ちあがって本を前に突きだし、サイタサイタと読みなおした。だが文字の存在を知らぬ克子には、本を読めばなぜサクラが咲いたというのか合点がいかない。

「健ちゃん、梅の花いうてもわからんのか」

と、小ばかにしたようにいう。だいたい気弱でもあるが、自分は兄であり、目の見えない克子をそれと感じて本を尻に敷かれてもたいした文句はいわない健も、これだけはゆずれないとばかりに、

「サクラいうて書いてあらあい」と、四股をふんでいいかえす。

「お母さん、梅じゃのう」

克子はお母さんの居所をさぐるように顔を浮かして問いかける。健も真剣になって、

「サクラいうて書いとるのう、お母さん」