Japanische Klassiker mit Furigana
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あかいステッキ
赤いステッキ
壺井 栄
Lesen Sie 赤いステッキ (あかいステッキ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.482 Zeichen · 23 Bildschirme
克子には克子なりに自分の合点のいくところで押し通そうとする態度が備わっている。それを素直でないとだけはいえないものがあった。
正月の七草のすんだころ、克子はまだ正月気分が忘れられなかったのか、お母さんの知らぬまに一帳羅の洋服を着て出ていき、大きな鉤裂をこしらえてもどってきた。どこかの釘にでも引っかかったのを、力まかせに引きちぎりでもしたかのように複雑な裂け方であった。
「お母さん、何じゃおかしげなもんがさがりよる」
と、ふしぎそうに、破けてひらひらしている布を目のそばへすりつけて、それを見きわめようとしていた。
「克っ、それ何じゃっ!」
お母さんが怒り声なのに、克ははじめて自分のしたことを思いだしてきゅうに身をすくめた。ふびんな子ゆえに、貧しい中を人なみの正月着をも作ったのであったが、それをめちゃめちゃにしてしまったことの腹立ちは、破れた赤い洋服を着て目をぎろぎろさせている克子の不敵さでよけいにお母さんの気持をあおった。
「もう納屋じゃ、黙ってえいべべ出して着たりする子は狼に食わしてやる」
お母さんは克子をうしろから引っとらえ、荒々しく物置納屋の方へ抱えていった。