Japanische Klassiker mit Furigana
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あかいかしゃ
赤い貨車
宮本 百合子
Lesen Sie 赤い貨車 (あかいかしゃ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.168 Zeichen · 71 Bildschirme
彼らの一人は、露台にいるナースチャに向って手を振った。ナースチャは笑う。彼はそれを見て笑って、ナースチャにききとれぬことをなにか云う。ナースチャはまた笑う。一人別の職人が、パンのこね粉をむしって、なにかこしらえ、ナースチャに見せるように高くさし上げる。その時はみなの職人が仕事をやめた。笑って、がやがや云いながらナースチャの方を見上げた。仕事場の方は暗いし、第一遠いし、なんの形だかナースチャに見わけられない。彼女は手を振った。職人たちはまるではしゃいで笑いつづけた。
「ヘーイ、娘っ子」
「ヒュー! ヒュー!」
畜生! ナースチャはむっとして露台から引きこむ。しかし、翌朝戸をあけ、露台へ出る時、ナースチャは挨拶を用意しているのだ。
ナースチャは、夜十一時半までひのしかけをした。最後のハンカチを終ったが、まだ火があった。ナースチャは今朝ほしたアンナ・リヴォーヴナの下着にひのしをしてしまいたいと思った。けれども、建物の物干場は五階の屋根裏だ。しんとした階段と、物干場のがらんどうな湿っぽい大きさがナースチャを恐れさした。
ナースチャは、忍び足でリザ・セミョンノヴナの戸へ近づいた。