Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あかいかしゃ

赤い貨車

宮本 百合子

Lesen Sie 赤い貨車 (あかいかしゃ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.168 Zeichen · 71 Bildschirme

Aozora Bunko

思いがけない出来事で疲れ、泣いた心が、和らいだ。蝋燭の燃える微かな匂いも、いい心持だ……ふっと腕に押しつけている口の隅からよだれが出そうになった。ナースチャはいそいでそれを吸いこみ、また頭を下して頬ぺたを腕にのっけた。またたきする度にナースチャの睫毛をとおして、蝋燭のしんのまわりと聖像の面から短い後光が細かく一杯八方へさした。一つずつナースチャのまたたきがゆっくり重くなった。それにつれて後光は、蝋燭のまわりと聖像の面の上から次第に長く、明るく、顔の上にさして来るような気がする。ナースチャは溜息をついた。彼女の手足から感覚がぬけ、いつか閉じた瞼をとおし頭のうちまで光で一杯になった。

いびきで、ナースチャは愕然と目を開いた。彼女は自分の周囲を見まわした。かっちりと電燈が台所じゅうを照らしている。蝋燭は三分ほどともりのこっている。ナースチャは蝋燭を吹き消した。煙がゆれて、強い匂いが漂った。さっきとはまたちがう淋しい心持がナースチャに起った。ナースチャは伸びをし、肩をかいた。

ベルが鳴って、オルロフが帰って来た。彼は廊下で外套をぬぎながら、水のような眼でじっとナースチャを見つめ、