Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あかいかしゃ

赤い貨車

宮本 百合子

Lesen Sie 赤い貨車 (あかいかしゃ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.168 Zeichen · 71 Bildschirme

Aozora Bunko

「お早うございます。ユリヤ・ニコライエヴナ。なんていいお天気なんでしょう、今朝は! わたしじっとしていられなくなって散歩してまいりましたの、御一緒に――ねえ、アレキサンドル・ミハイロヴィッチ」

女は可愛い自分の祖父さんでも抱くように七十歳の、だぶだぶした麻の詰襟服を着たアレキサンドル・ミハイロヴィッチの肩にさわった。が、半中気で耳の遠い老人にニーナの言葉はまるできこえなかった。

仕立屋タマーラは、同じ下宿のうちでもこんな具合な食堂にはなんの関係もなかった。黒と白の四角い石を碁盤形にしいた廊下がある。廊下は暗い。そのかなたの小部屋で、下宿の主婦の胴まわりにテープをまわして働いた。小部屋の窓の外には楡の木が枝をひろげていた。でこぼこ石の中庭越しに、裏の長屋と家畜小舎が見えた。大鎌が二ちょう、白壁が落ちて赤煉瓦の出た低い小舎の外壁にもたせかけてある。牛の臭いが時々した。

三

雨が降りつづいた。やんでも太陽は出ず、風がつめたかった。

大きな仕立台に向って、伯母のタマーラが田舎住居にしては白い、丸いおでこをふせて黒絹のユーブカへ飾紐をつけている。