Japanische Klassiker mit Furigana
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あかいらくだ
赤い駱駝
梅崎 春生
Lesen Sie 赤い駱駝 (あかいらくだ) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.820 Zeichen · 24 Bildschirme
立ち上ったものも、自分が何のために立ち上ったか、はっきりしたあては無かっただろうし、眼を閉じていたものも何を考えているか、自分でつかめなかったのだろうと思う。
しかし人間というものは現金なもんだな。それから三日も経つと、部隊解散の用意だというんで、部隊中はおそろしく生き生きと活気づいていた。ここの隊長というのが、横柄な顔をしているくせに気の小さい男で、早いとこ解散しないと危いと速断したのだろう。三日目頃には、部隊全体ががたがたにゆるんだところでざわめき立った感じだった。主計科では取り分だけ取ると、あとはどっと物資を放出したから、一日中、何分隊缶詰とりに来たれ、とか、略靴分配するから代表者来たれ、とか、次から次へ叫び声が伝達され、それに応じて人が動き、何しろ大騒ぎさ。洞窟の通路は兵の居住区をもかねているのだが、そこでは分配された物資を衣嚢につめたり出したり、なるたけ余計もってゆこうというので、キャンバスをもってきて新しく衣嚢をつくってる奴もいるしさ。日課も何もなくなって、雑然たる集団になってしまった。士官や下士官もそれを統率するめどを失って、やはり自分の取り前を確保することだけで日が終ってしまうのだ。