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Japanische Klassiker mit Furigana

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あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.864 Zeichen · 44 Bildschirme

Aozora Bunko

躯は小柄で、痩せており、色の黒い小さな顔はにこやかで、誰かに話しかけられたらすぐにあいそのいい返辞をしようと、待ちかねているような眼つきをしていた。――もちろんそれはできない相談であった。こんにちはいい日和である、と云うだけでさえ、彼は全神経と躰力を使いはたさなければならないほど吃るので、相手に好ましい印象を与えるような、あいそのいい返辞をするなどということは、まったく不可能だったのである。

養生所を出て四半刻あまり、伝通院の裏へ近づいたとき、かれらはうしろから呼びとめられた。五十歳くらいの男で、こちらへ走って来、去定に向かって、気ぜわしくおじぎをしながら、いま養生所へ訪ねてゆこうとしていたところだ、と云った。

「六助なら死んだぞ」と去定が云った。

男は「はあ」とあいまいな声をだした。

「二刻ばかりまえに息をひきとって、もう死骸の始末もしてしまった、身寄の者でもわかったのか」

「へえ、それがその、なんです」と男はへどもどし、睡をのんだ、「ちょっとこみいっていまして、あの年寄の娘というのがわかったのですが、子供が病気でして、家主の藤助というのが伴れて来たんですが、母親がいまとんだことになっておりまして」