Japanische Klassiker mit Furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.384 Zeichen · 41 Bildschirme
――お杉と親しくなったあとで、登はそれらのことをお杉の口から聞いた。
登はお杉と親しくなり、やがて、人に隠れて逢うようにさえなったが、あとで考えると純粋な気持ではなかった。自分にふりかかったいろいろな事情で、ひどくしらけた、やけなような気持になっていて、不平を訴える相手が欲しかったのと、ゆみという娘の病状に興味をもったため、というほうが当っているかもしれない。それにはお杉はもっともいい相手だった。登は養生所などへ入れられた不満を語り、ちぐさのことまでも話すようになった。彼女にはそんなうちあけ話をさせるような、しんみな温かさとやすらかさが感じられたのである。
「私は決してかれらの思うままにはならない」と彼はお杉に云った、「これは狡猾に仕組まれたことなんだ、私はかれらに手を焼かせてやる、がまんをきらせたかれらが、どうか出ていってくれと頼むようにさせてやるつもりだ」
「そうでしょうか」とお杉は不得心らしく首をかしげた、「あたしそのお嬢さまのことと、ここへおはいりになったこととはかかわりがないように思いますけれど」
お杉が自分の意見を述べるなどということは初めてなので、登は訝しげに彼女を見た。