Japanische Klassiker mit Furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.384 Zeichen · 41 Bildschirme
それは彼自身のものであり、彼だけの会得した業績なのだ。そしてその筆記類や図録は、彼の将来を約束するものであって、他に公開することは、その価値を失う結果になるだけであった。
――内障眼の治療だけで名をあげ、産をなした医者さえあるではないか。
自分の医術はもっと新らしく、ひろく大きな価値がある。これは自分の費用と、自分の努力とでかち得たものだ。他人にみせるいわれもないし、義務もない筈である、と登は云った。けれども去定はうけつけなかった。
――断わっておくが、ここではむだな口をきくな。
去定はきめつけるようにそう云った。
――筆記と図録はぜんぶ出せ、用事はそれだけだ。
登はそうするよりしかたがなかったことをお杉に話した。
「もし本当に赤髯が私を呼んだのだとすれば、たしかにあれが理由の一つだ」と登は瓠を撫でながら云った、「だから彼はこれまで私に構わなかった、私があのお仕着を着ず、なにもしないで遊んでいても、まるっきり知らない顔をしていたんだ」
「あなたは酔っていらっしゃるわ」
「酔っているものか、ただ飲んでいるだけのことだ」登はまた飲んだ、「禁じられているから飲むんだ、ここで禁じられていることならなんでもやるつもりだ」