Japanische Klassiker mit Furigana
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せきがいせんおとこ
赤外線男
海野 十三
Lesen Sie 赤外線男 (せきがいせんおとこ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.889 Zeichen · 78 Bildschirme
死骸を奪ったのが赤外線男だとすると、それは何のためだ。外国の小説には、火星人が地球の人間を捕虜にし、その皮を剥いで自分がスッポリ被り、人間らしく仮装して吾れ等の社会に紛れこんでくるのがある。しかしあの婦人の顔面は滅茶滅茶だった筈だ。婦人に化けたとしても、あの顔をどうするのだ。顔をかくしている婦人なんて印度や土耳古なら知らぬこと、この日の本にありはしない。婦人の死骸の行方が判らない限りこの問題は解決がつかない。
それから熊岡警官が轢死婦人のハンドバッグから探し出したフィルムの焼け屑だ。あれは一体何だ。あれが判明すると、婦人の死因は勿論、身許まで解ることだろう。
赤外線男に関係あるかどうかは二段として、この婦人の問題を解いて置くことは、あまり困難でもない。その上に、隅田梅子という婦人と轢死婦人とが同じ衣類所持品をもっていたという暗合、それから黒河内子爵夫人が、行方不明で、今も尚生死が知れぬが、あの少し前に、乱歩氏の「陰獣」のことを言い出したという事――よし、明日から、この方面を徹底的に調べてみよう。
帆村は、こう考えると、静かに椅子から立ち上って卓子の灰皿へ長くなった白い葉巻の灰をポトンと落した。