Japanische Klassiker mit Furigana
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せきがいせんおとこ
赤外線男
海野 十三
Lesen Sie 赤外線男 (せきがいせんおとこ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.889 Zeichen · 78 Bildschirme
「とうとう、新宿の轢死美人の身許が判ったてじゃありませんか。誰だったんです」
「自殺の原因は何です」
「全然素人じゃないという噂さもありましたが……」
当直は、記者に囲まれたなり、ふかぶかと椅子の中に背を落とした。そして帽子を脱いで机の上に置くと、ボリボリと禿げ頭を掻いた。
「書きたてるほどの種じゃないよ。それに轢死美人でも顔が見えなくちゃなア」
本気か冗談か判らぬようなことを云って、アーアと大欠伸した。記者連もこんな真夜中に自動車を飛ばして駈けつけたことが、のっけからそもそもの誤りだったような気がして、一緒に欠伸を催したほどだった。
しかし、それから二十四時間後に、彼等は同じこの場所に、互に血相をかえて「怪事件発生」を喚きあわねばならないなどとは、夢にも思っていなかったのである。
2
それから二十四時間ほど経った。
同じ警察署の夜更けである。今夜は事件もなく、署内はヒッソリ閑としていた。
そのとき署の玄関の重い扉を、外から静かに押すものがあった。
ギーッ、ギーッという音に、不図気がついたのは例の熊岡警官だった。彼は部厚な犯罪文献らしいものから、顔をあげて入口を見た。