Japanische Klassiker mit Furigana
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あかごうしくろうえもん
赤格子九郎右衛門
国枝 史郎
Lesen Sie 赤格子九郎右衛門 (あかごうしくろうえもん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.484 Zeichen · 29 Bildschirme
然らば拙者の手を籍らずとも、諸君方多数の手に依って討ち果たすこと出来ましょうに……」――「いやいや彼は悪人ながら剣にかけては無双の達人。それに多人数一度にかかり、討ち取ることはなりませぬ」――「それは又何故でござるかな?」――「私共が主君と奉める、やんごとなきお方様ご夫婦に執りまして、生命にかけても知り度いと願う、或重大の秘密事を、彼一人存じて居るが為、それを武器として彼の申すには「十人だけ勇士を選べ、そして一人一人室へよこせ。そうして俺と立合わせろ。掠傷でも負わすものあらば、運命と諦めて生命を呉れる。呉れる前に秘密も明せてやろう。併し十人の勇士共を一人残らず討ち取ったなら、其方の不覚と諦らめて、此俺を船から遁がすがよい」と。でその申し入れに従いまして、是迄に九人の勇士を選んで彼の室へ送ったのでございますが、室へ這入ると殆ど同時に、只一刀に切殺されて助かった者とてはござりませぬ……」
「成程」と私は頷きました「そこで最後の十人目にこの拙者を選んだのでござるな――心得申した。承知致してござる。如何にも仰せに従って此彦四郎揮いましょうぞ?」――私は深い決心を以て引受けて了ったのでござります。