Japanische Klassiker mit Furigana
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かけこみうったえ
走れメロス
Lesen Sie 走れメロス (かけこみうったえ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.745 Zeichen · 112 Bildschirme
庭に持ち出して、きれいに燃やした。
「ね、なぜ焼いたの」Hは、その夜、ふっと言い出した。
「要らなくなったから」私は微笑して答えた。
「なぜ焼いたの」同じ言葉を繰り返した。泣いていた。
私は身のまわりの整理をはじめた。人から借りていた書籍はそれぞれ返却し、手紙やノオトも、屑屋に売った。「晩年」の袋の中には、別に書状を二通こっそり入れて置いた。準備が出来た様子である。私は毎夜、安い酒を飲みに出かけた。Hと顔を合わせて居るのが、恐しかったのである。そのころ、或る学友から、同人雑誌を出さぬかという相談を受けた。私は、半ばは、いい加減であった。「青い花」という名前だったら、やってもいいと答えた。冗談から駒が出た。諸方から同志が名乗って出たのである。その中の二人と、私は急激に親しくなった。私は謂わば青春の最後の情熱を、そこで燃やした。死ぬる前夜の乱舞である。共に酔って、低能の学生たちを殴打した。穢れた女たちを肉親のように愛した。Hの箪笥は、Hの知らぬ間に、からっぽになっていた。純文芸冊子「青い花」は、そのとしの十二月に出来た。たった一冊出て仲間は四散した。目的の無い異様な熱狂に呆れたのである。