Japanische Klassiker mit Furigana
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ちょうじんひげのはかせ
超人鬚野博士
夢野 久作
Lesen Sie 超人鬚野博士 (ちょうじんひげのはかせ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 59.054 Zeichen · 117 Bildschirme
犬のダニ
「さあ。ちょっとむずかしいなあ。世間の誤解という奴は犬のダニみたいなものじゃから……」
「まあ……犬のダニ……」
「そうじゃ。犬のダニみたいに、勝手に無精生殖をしてグングン拡がって行くもんじゃからね。皮膚の下に喰込んで行くのじゃから一々針で掘った位じゃ間に合わんよ。ウッカリ手を出すとこっちの手にダニがたかって来る」
「まったくですわねえ」
「ジャガ芋の茹で汁で洗うと一ペンに落ちるもんじゃが」
「まあ。ジャガ芋をどう致しますの」
「アハハ。それは犬のダニの話じゃ。鉄筋コンクリートなんぞに喰い込んだダニなんちいうものはナカナカ頑強で落ちるもんじゃない。七十五日ぐらいジッと辛抱しているとダニの方がクタビレて落ちてしまう事もあるが……」
「それがその七十五日なんか待ち切れないので御座いますの。その中でも或るタッタ一人の方の誤解だけは是非とも解いてしまいませんと、わたくしの立場が無くなるんですの。……でも……それがタッタ一匹の犬から起った事なのですから……スッ……スッ……」
令嬢の眼からポロリポロリと光る水玉が辷り落ち初めた。
どうも考えてみると変った娘があればあるものだ。