Japanische Klassiker mit Furigana
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えちごじし
越後獅子
羽志 主水
Lesen Sie 越後獅子 (えちごじし) von 羽志 主水 (はしもんど) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.114 Zeichen · 15 Bildschirme
之が一等支出が立た無くて好いのだが、只此風に、耐える。煎餅屋の招牌の蔭だと、大分凌げる。少し早目に出掛けよう。
隣りの婆さん、此寒さに当てられて、間断無しに咳き込むのが、壁越しに聞える。今朝の話では、筋向うの、嬰児も、気管支で、今日中は持つまいと云う事だ。何しろ悪い陽気だ。
(二)
佳い塩梅に、覘って来た招牌の蔭に、立籠って、辰公は、ラジオを享楽して居る。
「講座」は閉口る。利益には成るのだろうが、七六ツかしくて、聞くのに草臥れる。其処へ行くと、「ニュース」は素敵だ。何しろ新材料と云う所で、近所の年寄や仲間に話して聞かせると辰公は物識りだと尊てられる。迚も重宝な物だが、生憎、今夜は余り材料が無い。矢ッ張り寒い所為で、世間一統、亀手んで居るんだナと思う。今夜は後席に、重友の神崎與五郎の一席、之で埋合せがつくから好い……
と、ヒョイッと見ると向側の足袋屋の露地の奥から、変なものが、ムクムクと昂る。アッ、烟だ。火事だッと感じたから「火事らしいぞッ」と、後に声を残して、一足飛に往来を突切り、足袋屋の露地へ飛込んだ。烟い烟い。
右側の長屋の三軒目、出窓の格子から、ドス黒い烟が猛烈に吹き出してる。