Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あし
足
豊島 与志雄
Lesen Sie 足 (あし) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.967 Zeichen · 8 Bildschirme
」
その調子は別に困ってるようでもなかったが、何かしら彼の全体から、変に憂欝なものを私は感じて、何と云っていいか分らなかった。
やがて大津に近づくと、彼は慌てて帯をしめ直して、それから暫く黙って坐っていたが、汽車が駅にはいりかけた頃には、もう立ち上っていた。
「つまらんお饒舌をしまして、失礼しました。私は此処で降りますから……。」
そう云い捨てて、彼は少し猫背加減のひょろひょろした身体付で、スーツケースを下げて車室から出ていった。
私は一人で、その男のことを考え続けていた。慢性の胃病で、足がだるくて、細君の注意で足の下にあてがう布団が発明されて、それが習慣になって、五六年続いて、寝台車では鞄まで使って、足をぶら下げるようなことになって……。
そこまで考えてくると、私は何だか馬鹿にされたような、また妙に憂欝にとざされたような、訳の分らない気持に沈んでいった。
汽車の窓から、曇り空の下に、湖水の面が遠くにちらちら隠見していた。