Japanische Klassiker mit Furigana
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あしのないおとことくびのないおとこ
足のない男と首のない男
Lesen Sie 足のない男と首のない男 (あしのないおとことくびのないおとこ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.095 Zeichen · 8 Bildschirme
鉄の棒を持つてゐるが、この棒の先の方も幽霊的に足がなくて、人をポカンとなぐる。良く命中するけれども、鉄の棒の足がないから命中しても風が起るばかりで、先方はポカンとするが、目は廻さない。彼の文学の論法は、あらかたさういふものである。
ところが一方、郡山千冬といふ先生は、足の方はひどく大きな毛脛で年中ゴロ/\うるさく地球をひつかき廻して歩いてゐるが、首から上が消えてしまつて無いのである。大酒飲みだから、首がないと困るけれども、彼は臍から飲む。そしてその臍で年中うるさいほどガヤガヤゴチャ/\喋りまくつてゐるのである。
郡山千冬の声は一種独特のシャガレ声で、テキ屋の声に厚い鉛のメッキをかけて年中フイゴで吹いてゐるやうな声であるが、後楽園球場で一番響きの悪い声で国民学校一年生のやうにうるさく怒鳴つたり拍手したり落付きなく見物してゐるのがこの男だ。ところがこの男は毎日職業野球を見物してゐるだけが能かと思ふと、さうではないので、万歳も見てゐるし、安来節の小屋でカケ声をかけてゐることもあるし、浪花節でもレビューでも何でも行儀の悪い見物人ののさばるところはどこでもこの男を見かけることができて、その中で誰よりものさばつて行儀が悪い。