Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ろじょう
路上
Lesen Sie 路上 (ろじょう) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.539 Zeichen · 87 Bildschirme
」
初子は物慣れた口ぶりで、彼女を俊助に紹介した。辰子は蒼白い頬の底にかすかな血の色を動かして、淑かに束髪の頭を下げた。俊助も民雄の肩から手を離して、叮嚀に初対面の会釈をした。幸、彼の浅黒い頬がいつになく火照っているのには、誰も気づかずにいたらしかった。
すると野村も横合いから、今夜は特に愉快そうな口を出して、
「辰子さんは初子さんの従妹でね、今度絵の学校へはいるものだから、それでこっちへ出て来る事になったんだ。所が毎日初子さんが例の小説の話ばかり聞かせるので、余程体にこたえるのだろう。どうもこの頃はちと健康が思わしくない。」
「まあ、ひどい。」
初子と辰子とは同時にこう云った。が、辰子の声は、初子のそれに気押されて、ほとんど聞えないほど低い声だった。けれども俊助は、この始めて聞いた辰子の声の中に、優しい心を裏切るものが潜んでいるような心もちがした。それが彼には心強い気を起させた。
「画と云うと――やはり洋画を御やりになるのですか。」
相手の声に勇気を得た俊助は、まだ初子と野村とが笑い合っている内に、こう辰子へ問いかけた。辰子はちょいと眼を帯止めの翡翠へ落して、