Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ろぼうのミイラ

路傍の木乃伊

夢野 久作

Lesen Sie 路傍の木乃伊 (ろぼうのミイラ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.345 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

しかもその国産品の氾濫も最早、行き詰まりかけているのではあるまいか。

多量の雑誌が出て来て、それがドシドシ売れて行く。読者は皆、芸術鑑賞の紋付袴で読む事を好まない。仰向けに引っくり返って、安易な夢を逐おうとしている事がわかればあとは、材料の安価と、商品化の手軽さが問題になって来るばかりである。

真剣な作家の真剣な作品を、骨を折って集めるのは馬鹿馬鹿しい事になって来る。ヨタでも焼直しでも何でもいい、読者がちょっと面白がりさえすればいいという事になって来る。そこいらのゴミ溜や、よその畠から失敬して来た材料にアニリン塗料とサッカリンで色と味を附けた、ちょっと口あたりのいい料理を作るのが芸術界の大勢になって来る。あとで庖丁を入れられたり、味加減をされたりしても決して文句を云わない。云わば扱い易い料理人が到る処にウヨウヨ出て来る。

高価い金を払って、三拝九拝しても芸術的な作品しか作り得ない、ちょっと給仕人が手加減を加えても、直ぐに尻を捲くってムクレ返るような旧式の板前は、見る見る路頭に迷い初めた。

しかし読者の味覚は案外に敏感なものである。日増しの材料とアニリン塗料と、サッカリンの味とにいつとなく飽きて来る。