Japanische Klassiker mit Furigana
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おどるちへいせん
踊る地平線(上)
谷 譲次
Lesen Sie 踊る地平線(上) (おどるちへいせん) von 谷 譲次 (たにじょうじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.926 Zeichen · 332 Bildschirme
高い壁に小さい戸があって、支那人みたいななりの人形が番人然と構えているから、何かと思ったら、正十二時に金製の小人形が四つ、流れるように順々に出てきて向側の戸へ消えるのだ。私達はわざわざ正午に出かけて行って見たんだが、その四個の時計人形は士農工商を象徴しているらしい。単なる好奇な飾りだろうけれど、それにしても、生真面目な金いろの小さな人形が四つ、ひょこひょこ出てきて引っ込むところはいかにも現代ばなれがしていて、北の水郷の大人たちのお伽噺趣味をよくあらわしていて面白いと思った。諾威から来てどことなく明るい感じのするのは、ことによるとこの人形のせいかも知れない。
さて、ふたたび塔の上から眼を放つと、市の端れの小高い坂の角に、城塞めいた円い家が注意をひく。
これはグルドブロロプス・ヘメットという国営のアパアトメントで、大いに曰くがある。一九〇七年に死んだオスカア二世が、その前年の結婚五十年記念に、国民のお祝い金で建てて一般公衆へ寄附したもので、結婚五十年の歴史――再婚や三婚や四婚や五婚、以下略、はすべて資格がないんだろうと思うが――を有する老夫婦――五十年経てばたいがい老夫婦に違いあるまいが――なら誰でもはいれて、間代だけは国家もちで生活出来るのだ。