Japanische Klassiker mit Furigana
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おどるちへいせん
踊る地平線(上)
谷 譲次
Lesen Sie 踊る地平線(上) (おどるちへいせん) von 谷 譲次 (たにじょうじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.926 Zeichen · 332 Bildschirme
つぎは彼らの莫斯科日記である。
第一日。
新しい寺院の屋根が、灰色の家の海の上へ、陽を受けてぴかぴか光って、線路にそって大都会の場末らしいごみごみした景色が展開し出した。と思ったらモスコウだった。ばかに好いお天気で、ばかに寒い。波蘭国境へ直行の人はここで乗りかえてきょうの午後アレキサンダア停車場から出発するんだが、私たちは、さいわい今この莫斯科「北部停車場」のプラットフォウムに現実に立っているという好機を利用し、急にしばらく滞在することに決して改札口を飛び出す。また出直して外部から露西亜入りをするには、じつにうるさい――そのいかにうるさいかは神さまが御存じだ――数々の手続きと極くすこしの可能性しかないというので、にわかに旅程を一変して「赤い都」の何日かを持つべく、保護色のために私たちもせいぜい赤い顔をして赤い群集に混り、赤い――じつは黒い――石だたみを踏んで最初の赤い空気を呼吸したのだ。mind you 私たちは現世紀を吹きまくる赤色颱風の中心にいるのだ。気のせいか提げている鞄まで赤くなりつつある。その重みでよろけながら、停車場の石段のうえで私は心中に絶叫した――ははあ! これが莫斯科か!