Japanische Klassiker mit Furigana
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おどるちへいせん
踊る地平線(下)
谷 譲次
Lesen Sie 踊る地平線(下) (おどるちへいせん) von 谷 譲次 (たにじょうじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.823 Zeichen · 283 Bildschirme
私が心配して注意した。
『小枝を切って絵具の溶液へ差しておくと、花がそれを吸い上げて自働的に着色されます。ニイスあたりでは、そういう薔薇をトルキスタンの花崗岩帯で発見された珍らしい変種と称して町かどで売っています。おもに謝肉祭の花合戦に恋人同志が投げ合うのですが、首と手足の太い英吉利女なんかがそのまま故国の従柿妹へ郵送出来るように、一、二輪ずつ金粉煙草の空缶へはいって荷札までついていて、値段は五十法です。なかには、物を舐める習癖のある赤ん坊はこれで自殺出来るほど、着色液の性によっては有毒なのがあります。その一種かも知れませんから、お砂糖に挟んで食べるのは中止なすったほうがいいでしょう。』
これが私の妻を噴き出させた。彼女はH・Pとロココ風に略字のつながった銀の匙で私の手の甲の静脈を叩きながら、古代ヘブライ語で私をたしなめたのである。
『何を言ってらっしゃるの? 造花じゃありませんか、これ。』
そして、自分でその花片の一つをってむしゃむしゃ食べてしまった。もちろんこの時は既に薔薇のサンドウィッチはフランシス・スワン夫人の胃の腑のなかにあった。例えそれが星のかけらであっても、食卓に出ている以上、この女達は薬味汁をつけてフォウクに刺して舌へ載せたことであろうと私は推測した。