Japanische Klassiker mit Furigana
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おどるちへいせん
踊る地平線(下)
谷 譲次
Lesen Sie 踊る地平線(下) (おどるちへいせん) von 谷 譲次 (たにじょうじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.823 Zeichen · 283 Bildschirme
もし若い男が私に話しかけでもしようものなら、祖母は狂気のように飛び出して行って、顎髯を振る、指を曲げて様々な悪霊の形を作って見せる、さては杖をかざして、ブリトン語で呪文を唱えながら白眼みつける、という始末ですから、とうとう村中の男が、誰も、私には、冗談は愚か、視線の一つも投げてくれないということになってしまいました。
が、結婚の問題は、ぼんやりながら始終私の頭にありました。若い女は、何よりも「遅くなる」ことを恐れるものです。しかし、そうかと言って、私から祖母に言い出すことは出来ませんでした。カルナクでは、女はただじっと待っていなければならないことに決められているのです。
村外れの石山に、ケルト族の墓標だと言い伝えられて来た、円い大きな自然石があります。男性の形で、Croez-Moken ――つまり、若い女が、夜更けに出かけて行ってその上に腰かけるか、跨ぐかすると、きっと一年以内に結婚が出来るという迷信のある石です。私は、今でも一番よくあの辺を覚えているほど、祖母の眼を忍んでは毎晩のように腰かけに行きました。
ところが、その夜は大雨で、私は自家にいなければなりませんでした。