Japanische Klassiker mit Furigana
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おどるちへいせん
踊る地平線(下)
谷 譲次
Lesen Sie 踊る地平線(下) (おどるちへいせん) von 谷 譲次 (たにじょうじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.823 Zeichen · 283 Bildschirme
この見物席の根、つまり実際の闘牛庭との境壁には、周囲に、高さ五呎ほどの炭油塗りの木塀がめぐらしてあって、そのところどころに、半狂乱の牛の角のあとらしいこわれが見えている。それはいいが、この観覧席がまた妙なふうに区別されていて、まえにも言ったとおり、闘牛は炎天下に行われるんだから、その当日、何月何日の何時ごろには、どの辺に陽が射してどこらが蔭になるということはちゃんと前もって判っている。そこで、それによって座席が二大別されて、日蔭を Sombra と言って上等席だ。このほうはたいがい二十から二十五ペセタ――一ペセタは邦貨約三十銭強――陽の照る側の sol は、入場料十ペセタぐらいでまず二、三等にあたる。
こんなふうに日向よりも日蔭の席がずっと高価い。そうだろう、陽かげは涼しいにきまってるから――なんかと思うと大変な間違いで、ではどうして日蔭が高級席かというと、これにはまた大いに西班牙的な理由がある。それは、突かれ刺されて半死半生になった牛は、苦しいもんだから例外なしに陽影へ日かげへと這入って来て、死ぬ時はいつも日蔭席の真下ときまっている。だから闘牛の後半――最も白熱的な部分は日蔭の側で演じられるわけで、従って、ここに居れば一番よく見え、その残酷な快感を詳細に満喫出来るというんで、ほんとの闘牛ゴウアウスの連中