Japanische Klassiker mit Furigana
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しゃちゅうゆうかん
車中有感
上村 松園
Lesen Sie 車中有感 (しゃちゅうゆうかん) von 上村 松園 (うえむらしょうえん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.425 Zeichen · 5 Bildschirme
窓外の風景には、自分の心をいためるものは一つもない。そこにあるのは、いずれも、自分の心を慰め柔げてくれる風景ばかりである。
ところが、わたくしは偶然にも、真珠のような美しいものを一昨年の秋、上京の途上にその車中で眺めたのである。あとにも先にも、わたくしは車中で、このような美しいものを感じたことは一度もない。それは、幼い児を抱いた、若い洋装の母の姿であり、その妹の姿であり、その幼児のあどけない姿であった。
汽車が京都駅を発ってしばらくしてからのことであった。逢坂トンネルを抜けて、ひろびろとした琵琶の湖を眺めていると、近くで、優しい声がして、赤ン坊に何か言っているのが聞えて来たので、わたくしは、その声に何気なく振り返ると、ちょうどわたくしの座席と反対側の座席に、洋装の美しい若い女が、可愛い誕生前後とおぼしい幼児を抱えて、何か言っている姿が眼にうつった。
わたくしは、その姿を一眼みるなり、思わず、ほう……と、呟いた。その母親(おそらく二十二、三であったであろう)の洗練された美しさもさることながら、その向いに坐っている妹さんらしい人の美しさにも、
「よくも、このように揃った姉妹があったもの」