Japanische Klassiker mit Furigana
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のうそん
農村
宮本 百合子
Lesen Sie 農村 (のうそん) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.223 Zeichen · 97 Bildschirme
けれ共、その細い、やせた体の神経の有りとあらゆるものを、鍋の中に行き来する箸の先に集めて居る小さい者達は、どうして兄の腹立たしい「たくらみ」を見逃すことが有ろう。
子供達の心は、忽ちの内に兄に対する憎しみの心で満ち満ちたものと見え、一番気の強そうな、額の大きな子が、とがった声で、
「兄にい、己にもよ。
と云った。
一番の兄は、自分の失敗に険しい目をして弟共をにらみながら次から次と出す椀の中になげたけれ共額の大きな子はまだきかない。
「お前の方が、ふとってらあ。
と云って兄の膝の前の椀からその太った円い一片を箸の先に刺そうとした。
いきなり、子供の頬に、かたい平手が飛んで、見て居る者の耳がキーンと云うほどいやな音をたてた。
斯うして小さい人間共の争いは起って仕舞った。年上のものは力にまかせて小さいものを打ったり、突き飛ばしたり、小突いたりして、一言も声はたてず、いかにも自信の有るらしい様子をして小さいものに向って居る。
兄弟の中半分が叫びつかれ、泣きつかれた時、いつとはなしに「喧嘩」はやんで仕舞った。一人が先ず始めて皆がそれにつれられて働き出した「喧嘩」は一人がいやになると皆もいつとはなしにする気がなくなって仕舞うものである。