Japanische Klassiker mit Furigana
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のうそん
農村
宮本 百合子
Lesen Sie 農村 (のうそん) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.223 Zeichen · 97 Bildschirme
台所の炉には枯木をうずたかくつんでボンボンもやして居る。もう少しして来て呉れる雪見舞の百姓共をすぐ暖めてやれる仕度である。あばれて気むらな、降り様をした雪なので四辺の様子に、美くしさなどと云うものは少しもない。或る処は、まっ白い海の様に見えるかと思えばそのわきには茶色の草や木や畑がむき出しになって悪く云えば「なまず」だらけの老婆の顔の様にみっともない。祖母と女中は物ずきだと云って随分止めたけれ共、私は、傘をさして足駄を履き、ブルブルしながら庭の一番深く積って居そうな処々を選んで歩き廻った。皮膚に粟が出来て、唇が紫になり、いつも私がいやがって居る通りに鼻が赤くなるのが自分にも感じられた。庭の堤の上に並んで居る小松に積った雪は何と云っても美くしい。裏の竹藪で雪を落してはね返る若い竹のザザザッと云う音が快く聞えて来る。車井戸をすっかり雪で包んでお菓子の様に甘そうに、あすこから水が出ようなどとは思われない形になって居る。
一廻りして帰りかけた時、コールテンの足袋を履いて居る足の指の先が痛くなって来た。
どうかするとつまずきそうになる。片手には大きな番傘を持ち、左の手は袖の口に入れて、袖口の処を一寸指先だけで内側にまげ肱を張って調子を取り、一足歩いては雪を下駄の歯から落し、又一足行っては置土産をし、来たあとを振り