Japanische Klassiker mit Furigana
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きんせいかいじんでん
近世快人伝
夢野 久作
Lesen Sie 近世快人伝 (きんせいかいじんでん) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.469 Zeichen · 157 Bildschirme
それから大きな褌盥に極上井戸水を一パイ張りまして、その中でその赤肝の薄切りを両手で丸めて揉みますと、盥一面に山のごと泡が浮きます。まるで洗濯石鹸を揉むようで……その水を汲み換え汲み換え泡の影が無うなるまで揉みました奴の三杯酢を肴にして一杯飲もうモノナラその美味さというものは天上界だすなあ。喰い残りを掃溜へ捨てた奴を、鶏が拾いますとコロリコロリ死んでしまいますがなあ。
……ヘエ。私は四度死んで四度とも生き返りました。四度目にはもう絶望ちいうて棺桶へ入れられかけた事もあります。私の兄貴分の大惣ナンチいう奴は棺の中でお経を聞きながらビックリして、ウウ――ンと声を揚げて助かりました位で……イエイエ。作りごとじゃ御座いまっせん。この理窟ばっかりは大学の博士さんでもわからん。ヘエ。西洋の小説にもそのような話がある……墓の下から生上った……ヘエ。それは小説だっしょうが、これは小説と違います。正直正銘シラ真剣のお話で……。
御承知か知りませんが、鰒に中毒ると何もかも痲痺てしもうて、一番しまい間際に聴覚だけが生き残ります。
最初、唇の周囲がムズ痒いような気持で、サテは少と中毒ったかナ……と思ううちに指の尖端から不自由になって来ます。